所得税

2011年1月 8日 (土)

1円ストックオプションと役員報酬制度の税制改正

新年おめでとうございます。
昨年後半から仕事の負荷が増えたこと、またtwitterを始めたこともあって滞りがちになってしまったこのblogですが、今年もほそぼそと(月1,2回程度は)更新していけたらと思っています。

さて、今年最初の話題は「1円ストックオプション制度」の話です。

「行使価額1円」株式報酬型ストックオプションの導入、200社突破へ

関連ブログ↓
http://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/4337.html#comment

話題となっているSOは、役員への報酬として役員退職金の代わりに行使価額が1円で自社株を購入できるストックオプションを付与するというもの。
記事によると、「2010年から実施された1億円以上の役員報酬の開示義務化により、株主からも理解を得られやすい役員報酬制度を考える必要がある」ことに加えて、「役員退職慰労金について、所得税の軽減措置がなくなることも、役員報酬制度を見直す動きにつながっている(※)」とのことです。

SO制度は自分の見ているクライアントでも導入している会社も多く、また経理処理や給与課税、申告の取扱いが間違っている項目の筆頭に挙げられると思います。特に外資系の会社の場合、親会社発行のSOを付け替えているもの、リステッドストック、ファントムストック、ファントムSOといった、未だ課税関係の定まらない『イレギュラーな』SO制度を導入するケースが多く、制度毎に丹念に経理処理や課税関係を検討する必要があると思います。

ところで税制改正と報酬制度との関係で言えば、ご存じのように給与所得控除の上限規制ができたこともあって、報酬の多い会社役員の方にとっては退職所得課税の強化と相まってダブルパンチというわけです。

では、そんな可哀そうな(?)役員の方向けに、我々税理士から提案がないのか?

、、、、実は、あります。

この退職所得課税の強化の話、対象が会社役員と一定の公務員に限られているところがポイントです。何が云いたいかと言いますと、執行役員は会社法上の役員ではありませんよ、ということ。

つまり、役員退職慰労金の制限規定についても、あくまで会社法上の役員が対象である以上、会社法上の役員でない執行役員に対していくら退職慰労金を払っても、従前通り1/2課税が行われることになります。

特に大きな会社の場合、取締役のポストが限られていることから執行役員制度を設けているケースも少なくないはず。税金面でのメリットを追求されるのであれば、取締役を執行役員に置き換えるといった方策を考えるのもひとつの手だと思います。


※所得税の軽減措置についてですが、通常退職金については、①給与の後払い的性格を考慮した担税力の観点、及び②老後の生活費等に充てられることを考慮する観点などから、退職所得控除額を控除した上で、1/2を課税する仕組みとなっています。

これを2011年税制改正により、在任期間5年以内の役員に支払われる役員退職慰労金については1/2の軽減措置を無くそう、というもの。役員としての在任期間が5年を超える方というのは早々居ないでしょうから、実質的に退職慰労金については課税が強化されたということです。

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2010年11月 1日 (月)

給与所得控除の上限規制


日曜の日経に、政府税調が給与所得控除の上限規制を設ける検討をしている旨の記事がありました。


http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E1E2E2E0938DE1E2E3E2E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

給与所得控除というのは給与収入から差し引く概算の費用のこと。
自営業者や不動産をお持ちの方は申告の際、収入を得るために掛かった経費を税額計算のベースとなる「課税所得」の計算上差し引くことができます。でもサラリーマンの方は、源泉徴収制度がある関係上、基本申告は行わない。掛かった経費についてレシートやら記帳やらを行う事務負担も大変。

そこで、掛かったであろう経費がだいたいこれくらいでしょうという金額を「えいやっ!」と一律設定して収入から控除しましょうという、いわば「概算」の「みなし経費控除」の規定です。

今回の改正論議はその控除に制限を設けましょうというもの。給与収入ベースでは2000万円、控除額ベースでは270万円を頭打ちとするものです。

ところで、この2000万円という数字は税務の世界では頻繁に出て来ます。
例えば同じ日曜のマネー生活欄でも。住宅取得資金の贈与については贈与される年の所得が2000万円を超えないことが上限、とか。

あるいは身近なところでは、サラリーマンが年末調整を受けるための要件も2000万円だったり。

お上の人たちにとっては、税制上そこまで優遇する必要がないでしょうという、「お金持ち」の方の線引きが2000万円になっているんでしょうね。

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2010年10月28日 (木)

年金保険の還付手続きが複雑なわけ

年金保険に係る二重課税の問題、20日付で国税庁から「相続等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱い」という案内ページが公表となりました。


http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/topics/data/h22/sozoku_zoyo/index.htm

対象者が20万人超とも言われるだけに手続きには相当な混乱も予想されます。
ページを事前によく読んで、①そもそも自分のケースが対象となるのか、そして対象となる場合に②自分の行うべき手続きは何か?を確認してから税務署に出向かれることをおススメ致します。


、、、
ところで今回の一件、対象となる方の過去の申告の状況によって、行うべき手続きや、期限なども変わってきます。
以前このブログ上でも「更正の請求と還付申告」についてエントリをしましたが、国税通則法上、還付申告と更正の請求によって期限が異なるためです。

おおざっぱに言えば、

①年金を受領した年において、給与所得以外の所得が少額だったため、あるいは所得全体が基礎控除額以下であったため等の事情により申告を行っていない方については還付申告、

②申告は行ったものの、今回の判決により納税額の還付が見込まれる方については更正の請求を行う、

というくくりになります。


特に留意していただきたいのは②の方。

還付請求権については国税通則法上、時効が5年間と定められていますが、更正の請求は原則として当初の法定申告期限から一年間。

「あれっ?もう3年前にもらったものについては過ぎてるじゃん!」と言われてしまいそうですが、
通則法上もちゃんとそのあたりは手当がされていて、裁判等で課税関係に関する事実につき齟齬が認められた場合には、その事実を知った日から2月以内(両方に該当する場合には一年間の方が優先適用されると記憶してます)に請求を行えばよいことになっています。

今回のケースではどこが「事実を知った日」とされるかは微妙なところですが、20日に国税庁が案内ページを公表したことを鑑みると、当初確定申告書を提出した方については、おそらく12月中旬くらいまでには手続きを行った方がよいというのが個人的なアドバイスです。


(参考;国通法23条②・・・後発的事由による更正の請求)
課税標準等 又は 税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとき

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2010年10月24日 (日)

意外と知られていない受取配当金の税制改正


今日は中間決算の小ネタ。

10月中旬からまさに今ごろにかけては、3決クライアントの中間決算の住査で少しバタバタした日々を送っています。
ところで中間決算や未払税金計算レビュー(業界用語では「Tax Review」と言ったりしますが)で何社か続けて指摘に上がったのが、受取配当金の益金不算入制度に係る税制改正。

グループ法人税制導入の余波(?)で100%資本関係のある完全子法人から配当金を受領した場合には控除負債利子を加味しなくていいですよ、というのはかなりポピュラーらしく、「対応してますよ」と言われることがしばしば。

ですが、控除負債利子の計算をする際、簡便法の基準年度の見直しが入ったことはポロっと落としているクライアントが散見されています。

(詳細もホントは自分で書かなければと思いつつ、辻本郷さんのHPにうまい具合に掲載されていたので、こちらをご参照ください。汗)
http://www.ht-tax.or.jp/taxtopics/2010/04/26.html

、、、
で、さらに上記のHPから踏み込んでもう一点。


実はこれ、基準年度がH22年4月1日以後開始事業年度に変わったからと言って、簡便法が使えないわけではないんです。

具体的に所得計算にどういう影響が出るかって?

負債利子を計算する際の割合の端数処理は、小数点第3位未満切り捨てです。つまり、負債利子が小さくなるということは、納税者有利の処理。

例え原則法と同じ金額を使うとしても、簡便法を採用したものとして配当益金不算入制度を適用した方が、結果的には減算できる金額が増えて、有利になることが多いハズ、というわけです。


特に持株会社はインパクトが多いでしょうから、留意する価値がありますよ。

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2010年9月27日 (月)

住宅版エコポイントの取り扱い


日曜日の日経新聞には資産運用やら家計のやりくりといったFP関連の記事が載っていることが多いんですが、最近は確定申告のシーズンでもないのに税金関連のトピックが多いような気がします。
もちろん、私も職業柄、税制関連の記事はマメにチェック。勉強の意味が半面、FPの方や新聞記者の方による寄稿記事は眉つばものの案内もあるので、批評的な視点も持ちつつ楽しみながら観させていただいています。(いや、皮肉じゃなくホントにあります。。。)

さて、昨日の記事は、「住宅版エコポイントの取り扱い」
3点ほど、税務担当者でも「おやっ」と思われるようなポイントが掲載されていて大変勉強になりました。

・まず第一に「収入計上時期」。
ご存知のように、企業であれ個人であれ、会計・税務では収入は原則発生主義でとらえます。原則を当てはめて考えるならば、エコポイントは付与時の所得なんじゃないかと考えがち。

ところが、ポイントはポイントのままでは使えませんから、追加工事やら商品券やらに引き換えた(=使った)時点の収入となるとのことです。
つまり、ポイントの通知を受けた時点と使った時点の中途で年をまたいだ場合には取り扱いに注意せよ、ってことですね。

・次にポイントを「追加工事等に充てた場合の取り扱い」。
つい最近締め切りになったエコカー補助金が、(法人が取得した場合)国庫補助金等に該当し、圧縮記帳の対象になることは色々なウェブで紹介がされていましたが、住宅版エコポイントは、例え事業者が取得しても圧縮記帳の対象となる国庫補助金等には該当しないようです。

つまり、施工業者に支払う工事費の額はポイント分だけ差し引かれますが、個人事業者の不動産所得等の計算上、減価償却はエコポイントの額を差し引く前の「総額」を基に行うらしいです。今年はエコカー減税使う人多いだろうし、混同して間違える人続出するんじゃないかなぁという印象。

・最後に、では事業者が取得したこのエコポイントをどうするか?
圧縮記帳の対象にならない(=経費から差し引かない)ということは、どこかの所得の収入として上げるしかありません。

記事では賃貸用住宅の取得に関連して取得したポイントについては不動産所得の収入金額に計上した上で、賃貸業務と関連する工事や環境商品等と交換した場合には、経費と両建てで処理することを示唆していました。結果的に所得ゼロになることはあっても、申告書上は経費から差し引いちゃいけないってことですね。

しかし不動産所得には原則として事業付随収入という考え方はないはずで、「不動産の貸付」から生じたものでないエコポイントを不動産所得の収入金額にはめこんでしまうのは、やや違和感があります。この辺は寄稿された税理士の方のお話を伺ってみたいところです。

(因みに、事業者でない個人が取得したエコポイントや、事業者が取得していても事業に関連しない商品券の取得等に充てられていた場合には、勿論一時所得での処理ということになります)


ところでこの住宅版エコポイント。
自己が居住の用に供している既存住宅に対して行った場合には、省エネ減税やバリアフリー改修減税の対象にもなります。

つまり、一定の要件を満たせば、エコポイントと、所得税額控除という『両得』の恩恵が受けられるわけです(新築物件について取得したエコポイントについては「改修」要件は満たしませんので、両得の話とは無関係ですね。ただし、ローンを組んでいる場合には、別途住宅ローン控除が取れる可能性はあります)が、ここまでご覧いただけるとおわかりの通り、意外と取り扱いはぐちゃぐちゃ。

工事のご予定・実績がある方は、申告シーズンに入る前に専門家の方にご相談をされるといいと思います。

]
関連記事;
http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/2a03c8904e6f853f492564990021bb43/ac12564ff013f685492576eb000a1fbc?OpenDocument

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2010年6月 1日 (火)

子ども手当は課税されるか?


子ども手当支給開始のニュースが新聞/Web紙面を賑わしていますね。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100601-OYT1T00568.htm


ところでこの手当、支給を受けた場合には所得税の課税対象となるのでしょうか?
というよりも、子ども手当は非課税ですよーという内容のブログはそこかしこに見かけますが、根拠条文はどこにあるのでしょうか?
仕事の合間に調べてみたところ、ちょっと面白い展開になりました。

、、、
昨年定額給付金が給付されたのは記憶に新しいところだと思いますが、これを確定申告したなんていう人、いなかったですか?

かくいう自分もH21年度の確定申告を行う際、クライアントから質問を受けてしまいました。さすがに「Googleで検索したら非課税と書いてあるブログがありました」と案内するわけにも行かずちらちら調べたところ所得税法等の一部を改正する法律」という形で公布されていたのを確認しました。


では今回も所得税の改正という形で公布が行われるのでしょうか?
いえいえ、今回は少し変わって「平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律」で直接的に規定をしています。

根拠は同法第15条です
『租税その他の公課は、子ども手当として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。』

原文はこちら

、、、
なぜこんなまどろこっしいことをするのか?

推測に過ぎませんが、この法律が「平成二十二年度における」という規定にしているところにポイントがあると思います。
つまり、これは今年限りの特別法、ということ。

そもそも所得税法では、第9条において所得税が課されない所得、所謂「非課税所得」を限定列挙しています。
http://www2.odn.ne.jp/muraoka/kakutei11.html

子ども手当はもともと児童手当をたたき台にした制度、ということをどこかで耳にしたことのある人も多いと思いますが、
第9条では児童手当が非課税所得に挙げられているのです。でも、子ども手当支給後は、児童手当(+扶養控除)などは廃止(縮減)される方向ですね。

これらを踏まえると、なんとなく将来の政策が透けて見えます。

勿論、支給金額等、細かい修正点を加える観点から、今年限定の時限立法にしている、という意味合いもあるでしょうが、所得税法の9条から児童手当法を削除、代わりに「子ども手当の支給に関する法律」を付け加えるというのが今後の流れになるのではないでしょうか?


、、、
蛇足ですが、平成22年度税制改正で扶養控除等が変りますが、適用は平成23年度からなので、平成22年分の年末調整は21年度と変わりがありません。

何が言いたいかというと、扶養親族の区分や人数、源泉税額は去年と同じですよ、ということです。
6月は納期の特例の準備をされる方も多いはず。
その前に、財務省のパンフレット等で確認してみてくださいね

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2010年4月26日 (月)

『1Q84』の課税関係

先週、友人に村上春樹著の『1Q84』の1,2巻を借りて読みました。

で、丁度発売されたばかりの第3巻も読んでみようと書店に足を伸ばしてみたところ何と早くも売り切れに!

発売日に「特ダネ」で取り上げられていましたが、第3巻は初刷りで50万部。シリーズ累計で267.5万部の売上だそう。
参考:http://www.oricon.co.jp/news/ranking/75571/full/

小倉さん曰く「本の場合、著者に入る印税はだいたい10%。従って村上さんは第3巻の初版だけで約1億円(=定価2000円x50万部x10%)を手にしたことになりますね。あ、でも100万超の著作料だと20%は源泉で取られちゃいますけどね」


、、はい。その通り。原稿や作曲、講演料などの支払いをする場合、支払者は100万円までは10%、100万超なら20%源泉をしなくちゃいけません。
以前のブログでも取り上げた、報酬の対価に1並び5並びの多い理由ですね)

でも村上さんのように、著述を生業とする人の場合、話はここで終わりません。

ご存じのように所得税は累進課税。年間の所得が高いほど税率も高くなります。

でも作家さんや作曲家さんなどの場合、毎年コンスタントに収入は見込めませんね。

作品と作品のスパンは年単位に及ぶこともしばしば。
仮に既発行の本が売れ行きがパタっと止まってしまったら、収入がゼロになる年だってあるかもしれない。
ン千万稼いだ年は50%の最高税率で納税して、方や作品がない年は税金もゼロ、じゃさすがに可哀相じゃないでしょうか?

で、こんな年々の収入の変動が著しい人の面倒を見てあげましょうというのが『平均課税』という考え方です。

詳細は国税庁のHP等でご覧いただければと思いますが、キモは
①適用を受けれるのは変動所得又は臨時所得に限定されている。
②変形的な5分5乗方式により圧縮した課税所得に対して、超過累進税率を適用して税額計算を行う
ってことです。

ところで、この条文。意外と面白いんですよ?

理由は、変動所得の範囲は条文に限定列挙されていて、それを暗記しなきゃいけないから。
法律を勉強する人たちが揃いも揃って「うなぎ、かき、ひらめ、まだい…」なんて暗記してる姿、なんだか滑稽じゃありませんか?笑

冗談はさておき、村上さんに平均課税の存在を教えてくれる方、居るんでしょうかねぇ。


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2010年3月17日 (水)

Bookoffに本を売った場合の課税関係

こんにちは。
税金おじさんほーむずです。

先日、古書をbookoffで引き取ってもらった話をしました。

日常、ちょっとしたものを友人・知人に安価で売ったり、使わなくなった日用品をリサイクルショップやオークションで売ったことのある人は多いと思います。
ではこういった日用品を売却した場合の課税関係はどうなるでしょうか?


そんなこと、今迄一度も考えたことないって?

、、、はい。
でも所得税法上はちゃんと規定があるんです。

まず大原則から。税法はどんな税目であれ、迷ったら通則に戻るのがキホンです。

第三十六条 その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。
2 前項の金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする

→つまり、給与だろうと何だろうと、収入(=現金や、将来現金を受け取る権利)があれば、所得税の課税関係は発生します。

ものを売ったときの所得は?
→はい、これは営利目的で継続的に売却しているとき等一定の場合を除いて、『譲渡所得』とされます。

じゃあリサイクルショップでものを売る度に、その年は確定申告をしなければならないのでしょうか?
そんなことはありません。

こんな除外規定があるからです。

第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
九 自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得

政令は25条に該当箇所があります。

第二十五条 法第九条第一項第九号(非課税所得)に規定する政令で定める資産は、生活に通常必要な動産のうち、次に掲げるもの(一個又は一組の価額が三十万円を超えるものに限る。)以外のものとする。
一 貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べつこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品
二 書画、こつとう及び美術工芸品

つまり、
原則は収入があったら収入源泉が何であれ課税しますよ。でも別段の定めがある場合には非課税になったり、課税関係が生じなくなる場合がありますよ。という流れです。

、、、
因みにご存じの方も多いとは思いますが、「所得」というのは通常プラスの概念を差します。
なので、日用品の譲渡でプラスの所得が出ても非課税ですよ、申告しないでいいですよ、というのが上記の規定の素直な読み方です。

ところで譲渡所得は、収入から、取得費+譲渡費用を差し引いて計算します。
漫画やら日用品やらを売ったところで二束三文。普通はマイナスになるはずです。

しかし、上記政令25条の条文解釈上は、譲渡損が生じた場合についても規定をされているものと考えられており、譲渡損が生じた場合には、その損失はなかったものとみなされることとなります。

つまるところ、日用品の譲渡は一切課税関係が生じないってことになりますね。
まぁ日用品はいずれ廃棄されたり処分されてりするもので、それについていちいち損失の計算をしてたら所得税なんてなくなってしまうでしょうから♪


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2010年3月12日 (金)

給与所得者の確定申告

こんにちは。
税金おじさんほーむずです。


3月9日のブログ
で「給与所得者の確定申告について近いうちに触れたいです」といった前振りをしたかと思いますが、

別件で国税庁のHPを探索中に、そのままズバリの解説をしているページを見つけました。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/koho/campaign/h22/Jan/01.htm

H21年分の申告についてはもう期限が間近ですので、サラリーマンのうちどんな方が確定申告が必要か、もしくはした方がいいのかということについてはひとまずこちらをご参照ください。
(決してサボリではありません。。ハイ)

多いケースとしては、
① アルバイトなどで源泉を取られている方、もしくは年の中途で退職等されていて、年末調整が未済となっている方
② 給与所得以外の所得がある方で一定の方
③ 年末調整では受けられない所得控除(医療費控除・寄付控除・雑損控除の3つです)を受けたい方
などが挙げられます。

上記以外でも、国税庁が公表している確定申告の手引は非常に判りやすい記載がされています。
(当たり前と言えば当たり前ですが、私が見ていてもホントに参考になりますし、参考にしています)

こちらもぜひ参考にされてみてください。

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2010年3月 9日 (火)

更正の請求と還付申告の違い


こんにちは。
税金おじさんほーむずです。

今日も3たび、先日住民税を二重に払ってしまっていた友人Oさんのネタです。

納めた税額が実際のあるべき税額よりも過大であった場合には、こちらから何らかの手続きを行って、差額の還付を請求しなければならない。
そしてその手続きには、大きく①更正の請求に伴う税務官庁の更正による還付 と ②還付申告書の提出による還付 の2つが存在するというお話を先日しました。

今日はその両者の違いを簡単に記すことにします。

、、、
・更正の請求は法定申告期限から一年以内だが、還付申告は暦年経過時から5年以内である
・更正の請求は、「確定申告書を提出した者」が前提になっている
(確定申告をした後に、その既納付額が過大であったときに差額の還付を請求する手続きが更正の請求である)
・更正の請求には、それ自体に税額を確定させる効力はなく、税務官庁の「更正」によって確定する

といったことが挙げられます。

<更正の請求を行うようなケース>
例えばサラリーマンの方が妻の出産、家族の入院等で多額の医療費を支払っているケースを想定しましょう。
通常サラリーマンは年末調整によって、給与所得と一定の所得控除を加味した適正年税額が徴収されているはずですから、確定申告不要です。
しかし、医療費控除は年末調整で受けることは出来ませんから、確定申告を行う必要があります。医療費控除を受けることによって課税所得が減るはずですから、
当然税金の還付が予想されます。

ところで、確定申告書を提出した後になって、また別の医療費領収書が出てきたケースはどうなるのでしょう?
既に確定申告書は提出していますから、このサラリーマンが医療費控除のやり直し(=還付される税金が増えるケース)を受ける場合には、
法定申告期限から一年以内に所轄の税務署長に対して「更正の請求書」を提出する必要が出てきます。

※なお、サラリーマンの確定申告については、近いうちに別途ブログでアップしたいと思います。
結構身近なネタですし、少なくとも自分は最初整理に手こずりましたので、、、

<還付申告を行うようなケース>
例えばパートのお母さんがアルバイト先で103万円以下の収入(扶養親族のボーダーライン)を得る際、
一定額(扶養控除等申告書を提出、扶養親族ゼロで、甲区分に該当する場合88千円以上)以上をもらっていると、
源泉徴収がされることになります。

しかし年間の給与収入は103万以下ですから、給与所得控除と基礎控除を加味すれば、課税所得ゼロ、税金もゼロ。
従って、この人は還付申告をすることができます。

でも、よくあるケースだと思いますが、税金の手続きなんてよく判らないからそのままほったらかし、なんて人もいるはず。
こういう人が取るべき手続きは、「確定申告による還付」(所法122条)の手続きです。

そして還付請求の期限は前述したとおり、暦年経過時から5年以内です。
ちなみに「確定所得申告書」の提出時期は2/15-3/15に定められていますが、「確定申告による還付」の手続きにあっては、1/1以後いつでも行うことができます。
(まぁお役所様は大抵1/4が業務開始日でしょうが)

なぜ両者の起算日は法定申告期限、暦年経過時と異なるのでしょうか?
それは更正の請求が確定申告を前提にしている(2/15-3/15)のに対して、
還付請求権(=還付税額)は暦年経過時(翌年1月1日)に確定するためです。

所得税は、、、そう、暦年課税の税目ですから。


※参考URL
更正の請求
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/01.htm

還付申告
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2035.htm

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