映画・テレビ

2010年6月14日 (月)

『おと・おとな・おとなり』

ほとんど一年ぶりくらいに引いた風邪のおかげで、ここ数日はひたすら寝て、本を読んで、DVDを見て、とのんべんだらりとした生活を送っていました。

いくつか観た・読んだ中でよかったのが、

『おと・な・り』
麻生久美子さんが好きだったので借りたDVDで中身にはあんまり期待していなかったんですが、これがなかなか。

隣の「おと」がまる聞こえになってしまうような古いアパートの「おとなり」同士として生活する30歳の男女。交わりそうで交わらない2人が、それぞれの「おとな」としての道を模索していく過程を丁寧に描いた作品です。

ストーリーの展開そのものはメロドラマ風で、こんなものかな~と感じてしまう部分も多々。でも、コンビニでレジ袋を断り小銭を募金箱に入れる姿や、同僚の名前を呼ぶ声にぎこちなさを含ませてみたりと、細かい表現を通じて、それぞれの価値観・過去を伝えようとする演出がズバリ。こちらに想像の余地を与えてくれることで、映画に広がりをもたらしています。

エンドクレジットの、画像のない中での会話は本当に良いです。最後の最後まで作品テーマにこだわってみせたなぁ、という感じ。

大きなヤマも、急転直下の展開もない、まさに日本映画。演出勝ちの一本でした。

http://www.oto-na-ri.com/index.html


追記
映画のテーマソングに使われていた曲、「風をあつめて」
自分はLeyonaさんのカヴァーバージョンをラジオで聴いた記憶があります。(確か何かの番組のエンディングテーマで使われていたような、、、)
はっぴぃえんどさんのオリジナルと合わせて、改めてYoutubeで聴きあさりましたが、心に染みる、何ともいい曲ですね

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2010年4月20日 (火)

『チェイス~国税査察官~』その2

昨日のブログで取り上げたチェイスの記事の続きです。

チェイス第一回で出てきた節税スキーム、「レバレッジドリース」ですが、本来はこれ、一昔前に大流行した節税スキームです。
詳細は節税の達人の独り言様のブログなぞでご丁寧な解説がされていましたので割愛しますが、日本でもシティバンクあたりがオーナー経営者向けにバンバン販売していたと記憶しています。

(ちょうど自分が勉強を始めた頃のH17年税制改正で節税メリットが大幅になくなる改正がなされたために記憶してるんですね。そういえばこの前後数年は会計でも税務でも、リース関係のスキームは狙い撃ちにされました)

レバレッジドリースがH17年改正以降世の中から消え去ってしまった理由ですが、簡単に言えば、「課税の繰り延べ」が認められなくなったことで、取引のうまみということに尽きます。

もともとこのスキームの妙味は、匿名組合を使って、その組合に多額の借り入れを起こさせて航空機等を購入(ここでシティバンクが登場するわけです。航空機なんて、一機50億とかしますもんね。とても自己資金じゃ買えません)。

匿名組合は法人税の課税主体ではないのでパススルーして出資者である法人に損益が帰属。
法人の場合、減価償却は原則定率法ですから、利益が出そうな事業年度にこれを契約すれば、定率法で償却された航空機の費用がガツンと法人に帰属してくるわけで、利益の圧縮が図れるわけです。

で、H17年の改正はなんだったかというと、法人が「特定組合員」に該当する場合で、組合に損失が生じている場合には、出資者からの出資金として一定の方法により計算した金額を超える損失(「組合等損失超過額」と言います)については、出資者たる法人の損金の額に算入しませんよ、という規定ができました(租法67の12)。

つまり、組合に赤字が出ていても、出資金の範囲内くらいであれば、パススルーして法人の損失として計上してもいいでしょう(だって、組合事業が全部租税回避目的なわけもないですし、利益には課税するのに損失は全部認めないんじゃ酷過ぎるでしょうしね)。でもそれを超えていたら、たぶんその組合が行ってるのはレバレッジドリースみたいな変なスキームなんでしょう。じゃあその損失は取らずに税金をちゃんと払ってください、とまぁこういうところです。

これだけ書くと、この改正は税金を取れるだけとって損失は一切認めないっていう悪魔のような規定にも見えますが、条文上は過去に生じた組合等損失超過額は、その後その組合で利益が出た場合にはその利益と通算していいですよ、という規定も一緒に作られています。

上記のようなスキームが成り立つのは、航空機のような馬鹿でかい減価償却資産を定率法償却する場合、大抵最初の数年間は多額の償却費が計上されることにより赤字になるでしょうという前提を置いているからです。

年を経れば償却費は減っていき、結果として組合事業から利益は上がることが期待されるわけで、契約後初年度、ないし向こう数年間の意図的な課税所得の圧縮を認めさせないためにこのような改正がされたわけです。

、、、
結果として、投資者にうまみのなくなってしまったこの商品の取引は漸減、銀行としてもあまり前面に押し出すことがなくなったということです。今頃になってテレビで登場したのは、おおっぴらに今はやりの節税ネタ(不動産業者と自動販売機、とか)を取り上げると国税庁からクレームが付くことを危惧したんでしょうね。

因みにドラマの設定は確か1998年でしたから、上述のスキームも有効だったわけで、この辺は番組のプロデューサーさんたちも設定にひと汗掻いているようです。

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2010年4月19日 (月)

『チェイス~国税査察官~』その1

先週土曜日、16日よりNHKで国税局の査察官をテーマにしたドラマ、『チェイス~国税査察官~』が始まりました。

確か少し前に会計士を題材にしたドラマでまったく視聴率が取れずに大失敗したこの枠。
懲りずに今度は国税か、、、とあきれつつも、仕事柄、かつ冷やかし半分で初回を観てみました。

内容は、勧善懲悪を描いたNHKのお決まりのパターン。
結局税金はちゃんと納めましょうねっていうプラシーボ効果、もといサブリミナル効果でも狙った構成になるんでしょうね。

(そりゃそうだ。公共放送で脱税者が最後までぬくぬくとしていたら、社屋に銃弾が打ち込まれるくらいじゃすまなくなるでしょう。そういえば、少し前のことですが、アメリカには内国歳入庁にヘリで突っ込んだ輩もいたそうですが。。。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2697810/5356982

ところで番組では毎回ひとつ、節税スキームをテーマとして取り上げることに決めているようです。栄えある第一回に選ばれたのは「レバレッジドリース」。

なんと、番組HPに特設紹介ページまで設けられています。笑
http://www.nhk.or.jp/dodra/chase/special/scheme01.html

番組では、脱税チームがとある会社社長に節税スキームとして提案したリース対象資産(大抵が航空機)が事故で大破。それに主人公=江口洋介さんの妻=木村多恵さんが乗り込んでいて、江口さんは絶望。その一方で多額の保険金を手にする脱税チームは高笑い。と、なんともぐだぐだな展開に入っていくわけで、展開のひとつひとつに突っ込みを入れずには観れそうもありません。

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2010年4月 5日 (月)

先週見た映画

月曜日は毎週読書レビューに充てている(と勝手に決めている)このブログ。

でもおススメがなかったので、代わりに今日は先週見た映画を紹介します。

①「トウキョウソナタ」
08年カンヌ映画祭「ある視点」部門賞受賞作。
ある日突然会社をリストラされてしまう父親(香川照之さん)を中心に、家族のすれ違いを描いた作品。
黒沢清さんは『CURE』や『叫』など、もともとはホラー映画を得意とする監督さん。
同作品のジャンルはコメディ(TSUTAYA上の分類)ですが、ある意味この映画はそこらへんのホラー映画以上に怖い作品です。同じく会社を首になった黒須(演:津田寛治)さんの演技もものすごくリアル。妻に言えずに退職金を手渡しして、携帯のアラームを会社からの電話と偽って、、、なんてやってる人いるんでしょうねぇ。。

http://tokyosonata.com/index.html


②「ぐるりのこと」
wikipediaで知りましたが、木村多江さん、リリー・フランキーさんともに映画初主演なんですね。
しかしともに演技には脱帽の一言。特に、子どもを亡くしてからの木村さんが、その心に支障を来していく描写は心に響くものがあります。親類の集まりで、子どもがテーブルに置いたグラスの位置を直そうとするところとかね。
と、こう書いてしまうとなんだか暗~い映画のようですが、リリーさんのつかず離れずのフォローがまた、何ともいえずにいい。こういう「日常の夫婦・家族の何気ないやり取り」みたいなものは、日本人にしかなかなか理解はされないのでしょうけれど、大切に育んでいきたいと感じるものでもあります。

http://bitters.co.jp/gururi/


③「SAW」
これはもう見てもらって、そして↓の解説版を手に入れてもらうしかないでしょう。
http://www.kabasawa.jp/eiga/other_films/2004/saw/saw2.htm

映画を見ている最中に感じる違和感。

「何かがおかしい」

「なんでこの描写が必要なんだろう」

そんな疑問がこれを読むとひとつひとつ意味づけされます。ちゃんと作りこまれた映画を見るのってホネのいることですし、ひとつひとつの背景、描写の意味を考えながら見て行くのも、なかかなに楽しい。

サヨナライツカを見たくらいから2か月ちょっと邦画にはまっていたんですが、これを転機にまた洋画のレンタルに走りそうな気がしてます。


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2010年1月18日 (月)

サヨナライツカ


こんにちは。
税理士おじさんほーむずです。

今日は映画のご紹介。

週末に『サヨナライツカ』の試写会に行ってまいりました。

原作は『冷静と情熱の間』で有名な辻仁成さん。
キャスティングには12年ぶりに主演を務められる中山美穂さんほか、石田ゆり子さん、西嶋秀俊さんなど。

中山美穂さんの華麗な衣装と表情もさることながら、
映画のタイトルにもなっている詩がとっても共感的なものでしたので、少し引用させていただきます。


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サヨナライツカ

いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ

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少し人の暗部にスポットを当て過ぎた詩かな、とも思いますが、
でもこれも、きっとひとつの愛の真実。

『サヨナライツカ』
来週1.23(土)よりロードショースタート。
おススメです。

映画詳細はこちらからどうぞ。

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