お盆ですねぇ。
今日はオフィスは本来公休。ちょっとやりたいことがあって出て来てみましたが、昼過ぎの東京駅は帰省ラッシュでごったがえしていました。
さて、下↓は米国コンピュータ大手の日本法人「日本HP」が06/10月期までの2年間に約470億円の申告漏れを指摘されていたという記事。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3E3E2E29F8DE3E3E2EAE0E2E3E29180E2E2E2E2;at=ALL
11日付朝日新聞の朝刊にはもう少し詳しい記事が載っていました。
「HPグループでは05年ごろから世界各地の製造、販売子会社のに共通の人事・総務などの管理業務を米国親会社に集約。親会社は05年と06年の決算期末、スイスに設立した子会社「HPIS」を通じ、この管理業務費として約470置く円を請求。日本HPが同額を支払ったものの、東京国税局は「親会社への支払は何のサービスに対する経費なのかが明確でなく、合理的な支出ではない」と判断。経費計上を認めず、同額を申告漏れと判断した」ようです。
日本HP側ではこの申告漏れに係る追徴税額、延滞税、過少申告加算税合わせて約230億円を納付した上で、異議申し立てを行ったという記事が出ていました。

、、、
この記事を読んでドキっとした方、特に海外に関連会社のある日本法人にお勤めの方には多かったかも知れませんね。
経理や人事、総務など特に間接部門はグループ会社内で業務を集約化することによってコストダウンを図れる余地が大きい。例えば前職にあっても私自身、マニラに経理業務の一部を移管するプロジェクトを担当させられていました。
業種的な問題ばかりではなく、例えばIT業界。どこの会社とは言いませんが、とある会社の財務責任者の方とお話した際、会社のビジネスモデルについて「日本で受注した案件をインドの担当者にプログラムを書かせれば、コスト面でも時間の面でも、日本国内で仕上げるより数段質のよいものが出来る」と言いきっていました。
でも勿論、こういったグループ会社に対する役務提供にしても、対価の受け払いは当然に発生するわけで、この際の費用は業務委託費であったり、ロイヤルティー、あるいは付替え費用といった費目でI/Sにチャージされます。そしてこの支払いが、税法上の損金に認められるか否かが問題になるわけです。
大きな声では言えませんが、私自身の担当している会社でも、何社かは同様の問題を抱えています。
特に子会社の場合、親会社から支払いを求められるとNoとは言えないですしね。それを第3者の税理士法人が否認してしまうこともなかなか難しい。監査法人にしても同様です。
勿論明確な対価関係があれば否認されるリスクは非常に少なくなるわけで、例えば、過去日本国内で同業務を処理してきた際の管理費の実績基準なり、海外で業務を受託している関連会社のタイムチャージベースの管理費の計算根拠を具備する、とかね。逆に危ないのは、日本法人で利益が上がってるし、税率が高いから、ロイヤルティ―の名目で利益を吸い上げちゃえ、みたいなケース。こういう会社も中にはありますが、正直、税務署に入られたら否認のリスクは非常に高いものになるでしょうね。
ただ、関連会社間の取引は、TPの問題も絡めて複雑になりがち。
今回のHPにも裁判でとことん戦ってもらって、offshoringに関する基準のようなものを裁判所に示してもらえると今後の業務には助かるナァなんて考えています。
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