2011年5月 3日 (火)

タックスレビュー期間を終えて

監査法人系列の税理士法人(特にBig4)にとって、上場企業の監査証明を発行する監査法人に対して、税金勘定(具体的にいえば未払法人税勘定や、繰延税金資産、評価性引当金の開示など)を精査する目的で「Tax Review」というサービスを提供することがあります。

4月はこのTax Reviewの最繁忙期でした。

証券市場向けの有価証券報告書提出の適時開示が求められる昨今、決算が締まるか締まらないかのうちに会社を訪問して、未払税金計算が正しいかを喧々諤々、専門家の立場からアドバイスします。

今日はこの繁忙期を終えての、今年のTax Review指摘ベスト3を勝手にまとめてみました。

①受取配当金益金不算入制度
・・・今年はグループ税制が入ったことに伴って、従前「関係法人株式等」であったものが「完全子法人株式等」に範囲が訂正されていたり、あるいは負債利子の簡便法の基準年度が改正されたことなど、これまで通りのプロセスで税金計算を行うと間違ってしまう点が目白押しでした。特に持株会社の場合は収入のほとんどが配当金ですから、ここはパスしては通れないところです

②グループ税制
・・・H22税制改正の目玉であるグループ税制は特に質問が多かった部分です。従前、グループ会社に対する費用負担や無償の役務提供は寄付・受贈が両建てとなるために問題とならなかった部分ですが、親会社側での投資簿価修正という新しい(けれども投資理論の観点からはある意味当たり前の)本税制が入ったことで、今後はグループ間での費用負担や寄付・受贈については慎重な管理が求められると思います。

因みに何を隠そう、私自身もグループ税制はズブの素人です。「図解」シリーズやQAを片手に冷や汗もののアドバイスをしてしまいました。監査の皆様ゴメンナサイ。。

③震災関連の特例
・・・やはり、というか、震災関連の質問を受けるケースが圧倒的に多かったです。被災地への寄付という簡単な論点であっても例えば会社が基金を独自に作ってみたり、従業員から募った寄付を企業名義で寄付してみたりとイレギュラーなものに対するアドバイスを求められました。最近話題になったところでは、ヤマト運輸が荷物一つ宅配するごとに10円寄付、なんてのも。(100億単位の金額を見込んでいるらしいですが、あの取り扱いはどうするんでしょうね)また、企業が備蓄用に購入した毛布etcの取り扱いや、震災特別勘定の取り扱いなど、質問は多岐にわたりました。

ちなみに震災特別勘定については、国税庁から4月21日付で「東日本大震災関係諸費用(災害損失特別勘定など)に関する法人税の取扱いに係る質疑応答事例」が公表されました。

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/pdf/hojin_FAQ.pdf

それと絡んで、「そもそも平成23年税制改正はどうなんねん?」という質問も多々。企業側からは、税率変更は繰延税金資産の取り崩しとなってF/Sを直撃するだけに、大いに気になる部分だったと思われます。

と、まだまだ色々とネタはありますが、上記項目はだいたいどこの会社でも質問を受けた部分でした。

これからGWが明けると3月決算会社の申告業務が本格化しますね。
会社経理・税務担当者の皆さん、引き続きご愛顧のほど宜しくお願いします!笑

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2011年4月28日 (木)

【震災特例法】が本日施行

3月11日の東北地方太平洋沖地震、及びそれに伴い東北地方は頻繁な余震に見舞われております。

このたびの一連の大災害に際して亡くなられた多数の方々のご冥福を祈念し、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、罹災された皆様に心よりお見舞い申しあげます。

自分にできることは募金や節電など小さなことですが、1人ひとりの積み重ねが大きな力になることを信じて、微力ながら協力していきたいと思っています。


さて、今日は本当に久しぶりのblog upとなりました。
再開初回の本日のトピックは、震災特例法の施行のお知らせです。

95年の阪神淡路大震災の際にも震災特例が公布されましたが、今回の法案は規模・範囲ともにこれを大きく上回り、税制面から救済及び復興を後押しするものになっています。

本日平成23年4月27日に、東日本大震災の被災者等の負担の軽減等を図るため、「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(以下、「震災特例法」といいます。)が施行されました。
 この震災特例法や既存の税制において東日本大震災により被災された方に適用される各種の税制上の措置に関する情報を掲載しております。


詳しくは以下のURLをご参照ください。

 ・ 東日本大震災により被害を受けた場合の税金の取扱いについて
  → http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/tokurei/zeikin.htm

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2011年1月 8日 (土)

1円ストックオプションと役員報酬制度の税制改正

新年おめでとうございます。
昨年後半から仕事の負荷が増えたこと、またtwitterを始めたこともあって滞りがちになってしまったこのblogですが、今年もほそぼそと(月1,2回程度は)更新していけたらと思っています。

さて、今年最初の話題は「1円ストックオプション制度」の話です。

「行使価額1円」株式報酬型ストックオプションの導入、200社突破へ

関連ブログ↓
http://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/4337.html#comment

話題となっているSOは、役員への報酬として役員退職金の代わりに行使価額が1円で自社株を購入できるストックオプションを付与するというもの。
記事によると、「2010年から実施された1億円以上の役員報酬の開示義務化により、株主からも理解を得られやすい役員報酬制度を考える必要がある」ことに加えて、「役員退職慰労金について、所得税の軽減措置がなくなることも、役員報酬制度を見直す動きにつながっている(※)」とのことです。

SO制度は自分の見ているクライアントでも導入している会社も多く、また経理処理や給与課税、申告の取扱いが間違っている項目の筆頭に挙げられると思います。特に外資系の会社の場合、親会社発行のSOを付け替えているもの、リステッドストック、ファントムストック、ファントムSOといった、未だ課税関係の定まらない『イレギュラーな』SO制度を導入するケースが多く、制度毎に丹念に経理処理や課税関係を検討する必要があると思います。

ところで税制改正と報酬制度との関係で言えば、ご存じのように給与所得控除の上限規制ができたこともあって、報酬の多い会社役員の方にとっては退職所得課税の強化と相まってダブルパンチというわけです。

では、そんな可哀そうな(?)役員の方向けに、我々税理士から提案がないのか?

、、、、実は、あります。

この退職所得課税の強化の話、対象が会社役員と一定の公務員に限られているところがポイントです。何が云いたいかと言いますと、執行役員は会社法上の役員ではありませんよ、ということ。

つまり、役員退職慰労金の制限規定についても、あくまで会社法上の役員が対象である以上、会社法上の役員でない執行役員に対していくら退職慰労金を払っても、従前通り1/2課税が行われることになります。

特に大きな会社の場合、取締役のポストが限られていることから執行役員制度を設けているケースも少なくないはず。税金面でのメリットを追求されるのであれば、取締役を執行役員に置き換えるといった方策を考えるのもひとつの手だと思います。


※所得税の軽減措置についてですが、通常退職金については、①給与の後払い的性格を考慮した担税力の観点、及び②老後の生活費等に充てられることを考慮する観点などから、退職所得控除額を控除した上で、1/2を課税する仕組みとなっています。

これを2011年税制改正により、在任期間5年以内の役員に支払われる役員退職慰労金については1/2の軽減措置を無くそう、というもの。役員としての在任期間が5年を超える方というのは早々居ないでしょうから、実質的に退職慰労金については課税が強化されたということです。

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2010年12月17日 (金)

平成23年度税制大綱(案)と消費税改正

12/16付で税制大綱が発表されました。
これから実務に携わる人たちのアクセスが集中するでしょうね。もちろん私も業務上、目を文字通り皿のようにして確認しているところです。笑

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/22zen24kai2.pdf

さて、欠損金関連をはじめとした法人税減税と、その反動での個人所得税・相続税の課税強化が紙面を賑わせていますが、その裏で消費税もひっそりと、しかし大きな改正を行っています。

それが【消費税課税の適正化】です。

2011年度税制改正では、消費税の課税の適正化の観点から、仕入税額控除制度におけるいわゆる「95%ルール」の見直しと免税事業者の要件の厳格化が大綱に盛り込まれました。

「95%ルール」については、対象者を中小企業者に限定し、免税事業者の要件については、課税売上高が1千万円を超えることが期の途中(具体的には半期経過後)で明らかになった場合には、翌期から課税事業者となるように、要件を厳格化する見通しです。

また、現行の消費税法では、非課税売上分に対応する仕入れについては、仕入税額控除を認めないのが原則ですが、売上のほとんど(95%以上)が課税売上の場合には、全ての仕入れについて仕入税額控除を認めています(いわゆる「95%ルール」)。これは、消費税導入当初に中小事業者の事務負担に配慮する観点から設けられた特例措置のひとつですが、以前から益税の最たるものとの指摘があり、特に大企業がその恩恵を受けているとの批判がありました。

そこで、事業者の事務負担に配慮する観点から講じられている制度の趣旨に鑑み、95%ルールの対象者から大企業を排除し、中小企業者に限定します。将来、消費税率大幅な引上げが不可避となるなかで、益税の最たるものとの指摘がある95%ルールを現行のまま放置しておくことは、消費税制度の信頼性を損ねることになるとの考えと、消費税の課税の適正化の観点から見直されるものです。

特に95%ルールについては、従来ほとんどの会社が全額仕入れ税額控除を取ってきたであろうだけに、実務面での負担増が予想されます。

具体的には、一括比例配分方式と、控除対象外消費税の条文を参照する実務家が増えそうです。
法人税申告でも使用する別表がひとつ増えることが予想されます。

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2010年12月 2日 (木)

税務家向けメールマガジン

あっと言う間に11月も終わって12月。師走は走り去るっていいますが、昨日からさっそく忘年会で今月もバタバタの予感がしています。

巷では税制改正の論議が盛んです。
税率引き下げに始まって、欠損金の使用制限なんてのから、寄付金控除を所得控除から税額控除に変える検討なんていうのまで様々。
ツイッター上でも情報が乱れ飛んでいます。

、、、
私たち専門家にとっての最新の情報源も、勿論新聞等が一番身近。しかし意外と知られていないソースがあります。

それが財務省と、国税庁のメールマガジン。
登録しておくと、税制改正関連の調査会審議等の議事録なんていうのから、例えば新しく解釈指針や通達、QAが公表されたときにもメールでお知らせが来てくれて便利です。

クライアントに「○○が昨日公表されましたよ」なんていうと驚かれますが、専門家たちのアンテナもこんなところが発信元だったりします。

興味のある方はご登録してみてはいかがでしょう。

http://www.mof.go.jp/haisin/form.htm
http://www.nta.go.jp/merumaga/index.htm


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2010年11月 1日 (月)

給与所得控除の上限規制


日曜の日経に、政府税調が給与所得控除の上限規制を設ける検討をしている旨の記事がありました。


http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E1E2E2E0938DE1E2E3E2E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

給与所得控除というのは給与収入から差し引く概算の費用のこと。
自営業者や不動産をお持ちの方は申告の際、収入を得るために掛かった経費を税額計算のベースとなる「課税所得」の計算上差し引くことができます。でもサラリーマンの方は、源泉徴収制度がある関係上、基本申告は行わない。掛かった経費についてレシートやら記帳やらを行う事務負担も大変。

そこで、掛かったであろう経費がだいたいこれくらいでしょうという金額を「えいやっ!」と一律設定して収入から控除しましょうという、いわば「概算」の「みなし経費控除」の規定です。

今回の改正論議はその控除に制限を設けましょうというもの。給与収入ベースでは2000万円、控除額ベースでは270万円を頭打ちとするものです。

ところで、この2000万円という数字は税務の世界では頻繁に出て来ます。
例えば同じ日曜のマネー生活欄でも。住宅取得資金の贈与については贈与される年の所得が2000万円を超えないことが上限、とか。

あるいは身近なところでは、サラリーマンが年末調整を受けるための要件も2000万円だったり。

お上の人たちにとっては、税制上そこまで優遇する必要がないでしょうという、「お金持ち」の方の線引きが2000万円になっているんでしょうね。

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2010年10月28日 (木)

年金保険の還付手続きが複雑なわけ

年金保険に係る二重課税の問題、20日付で国税庁から「相続等に係る生命保険契約等に基づく年金の税務上の取扱い」という案内ページが公表となりました。


http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/topics/data/h22/sozoku_zoyo/index.htm

対象者が20万人超とも言われるだけに手続きには相当な混乱も予想されます。
ページを事前によく読んで、①そもそも自分のケースが対象となるのか、そして対象となる場合に②自分の行うべき手続きは何か?を確認してから税務署に出向かれることをおススメ致します。


、、、
ところで今回の一件、対象となる方の過去の申告の状況によって、行うべき手続きや、期限なども変わってきます。
以前このブログ上でも「更正の請求と還付申告」についてエントリをしましたが、国税通則法上、還付申告と更正の請求によって期限が異なるためです。

おおざっぱに言えば、

①年金を受領した年において、給与所得以外の所得が少額だったため、あるいは所得全体が基礎控除額以下であったため等の事情により申告を行っていない方については還付申告、

②申告は行ったものの、今回の判決により納税額の還付が見込まれる方については更正の請求を行う、

というくくりになります。


特に留意していただきたいのは②の方。

還付請求権については国税通則法上、時効が5年間と定められていますが、更正の請求は原則として当初の法定申告期限から一年間。

「あれっ?もう3年前にもらったものについては過ぎてるじゃん!」と言われてしまいそうですが、
通則法上もちゃんとそのあたりは手当がされていて、裁判等で課税関係に関する事実につき齟齬が認められた場合には、その事実を知った日から2月以内(両方に該当する場合には一年間の方が優先適用されると記憶してます)に請求を行えばよいことになっています。

今回のケースではどこが「事実を知った日」とされるかは微妙なところですが、20日に国税庁が案内ページを公表したことを鑑みると、当初確定申告書を提出した方については、おそらく12月中旬くらいまでには手続きを行った方がよいというのが個人的なアドバイスです。


(参考;国通法23条②・・・後発的事由による更正の請求)
課税標準等 又は 税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとき

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2010年10月24日 (日)

意外と知られていない受取配当金の税制改正


今日は中間決算の小ネタ。

10月中旬からまさに今ごろにかけては、3決クライアントの中間決算の住査で少しバタバタした日々を送っています。
ところで中間決算や未払税金計算レビュー(業界用語では「Tax Review」と言ったりしますが)で何社か続けて指摘に上がったのが、受取配当金の益金不算入制度に係る税制改正。

グループ法人税制導入の余波(?)で100%資本関係のある完全子法人から配当金を受領した場合には控除負債利子を加味しなくていいですよ、というのはかなりポピュラーらしく、「対応してますよ」と言われることがしばしば。

ですが、控除負債利子の計算をする際、簡便法の基準年度の見直しが入ったことはポロっと落としているクライアントが散見されています。

(詳細もホントは自分で書かなければと思いつつ、辻本郷さんのHPにうまい具合に掲載されていたので、こちらをご参照ください。汗)
http://www.ht-tax.or.jp/taxtopics/2010/04/26.html

、、、
で、さらに上記のHPから踏み込んでもう一点。


実はこれ、基準年度がH22年4月1日以後開始事業年度に変わったからと言って、簡便法が使えないわけではないんです。

具体的に所得計算にどういう影響が出るかって?

負債利子を計算する際の割合の端数処理は、小数点第3位未満切り捨てです。つまり、負債利子が小さくなるということは、納税者有利の処理。

例え原則法と同じ金額を使うとしても、簡便法を採用したものとして配当益金不算入制度を適用した方が、結果的には減算できる金額が増えて、有利になることが多いハズ、というわけです。


特に持株会社はインパクトが多いでしょうから、留意する価値がありますよ。

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2010年10月17日 (日)

今日収穫したのは、、、

税理士業界のホントのエントリにて、税理士業界は7-9月あたりは閑散期で暇してますよー。ということを紹介したかと思いますが、最近は中間申告やら修正申告やら研修やらで、意外とバタバタ。
ブログのエントリも週1回以上を目標にしているのですが、気がつくと10月はこれが初めてという有様で、反省あめあられです。ほそぼそと税務ネタや日常を綴って行けたらナァ、なんて考えています。


さて、先週末は実家で○○の収穫をしました。
みなさん、これなんだか判りますか?
因みに父いわく、昔は茎もふかして食べていたそう。
さながらフキのような触感なんでしょうかねぇ?

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、、、頭が見え始めた頃。

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、、、はい。というわけで、本日の収穫は、サツマイモでした!
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むかーし、幼稚園か小学校のときくらいに収穫体験で芋堀りに行ったのを思い出しました。あの時は体全身を使ってやっとこさ掘り上げましたっけ。
でもいつになっても、収穫の瞬間は嬉しいものです。

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2010年9月27日 (月)

住宅版エコポイントの取り扱い


日曜日の日経新聞には資産運用やら家計のやりくりといったFP関連の記事が載っていることが多いんですが、最近は確定申告のシーズンでもないのに税金関連のトピックが多いような気がします。
もちろん、私も職業柄、税制関連の記事はマメにチェック。勉強の意味が半面、FPの方や新聞記者の方による寄稿記事は眉つばものの案内もあるので、批評的な視点も持ちつつ楽しみながら観させていただいています。(いや、皮肉じゃなくホントにあります。。。)

さて、昨日の記事は、「住宅版エコポイントの取り扱い」
3点ほど、税務担当者でも「おやっ」と思われるようなポイントが掲載されていて大変勉強になりました。

・まず第一に「収入計上時期」。
ご存知のように、企業であれ個人であれ、会計・税務では収入は原則発生主義でとらえます。原則を当てはめて考えるならば、エコポイントは付与時の所得なんじゃないかと考えがち。

ところが、ポイントはポイントのままでは使えませんから、追加工事やら商品券やらに引き換えた(=使った)時点の収入となるとのことです。
つまり、ポイントの通知を受けた時点と使った時点の中途で年をまたいだ場合には取り扱いに注意せよ、ってことですね。

・次にポイントを「追加工事等に充てた場合の取り扱い」。
つい最近締め切りになったエコカー補助金が、(法人が取得した場合)国庫補助金等に該当し、圧縮記帳の対象になることは色々なウェブで紹介がされていましたが、住宅版エコポイントは、例え事業者が取得しても圧縮記帳の対象となる国庫補助金等には該当しないようです。

つまり、施工業者に支払う工事費の額はポイント分だけ差し引かれますが、個人事業者の不動産所得等の計算上、減価償却はエコポイントの額を差し引く前の「総額」を基に行うらしいです。今年はエコカー減税使う人多いだろうし、混同して間違える人続出するんじゃないかなぁという印象。

・最後に、では事業者が取得したこのエコポイントをどうするか?
圧縮記帳の対象にならない(=経費から差し引かない)ということは、どこかの所得の収入として上げるしかありません。

記事では賃貸用住宅の取得に関連して取得したポイントについては不動産所得の収入金額に計上した上で、賃貸業務と関連する工事や環境商品等と交換した場合には、経費と両建てで処理することを示唆していました。結果的に所得ゼロになることはあっても、申告書上は経費から差し引いちゃいけないってことですね。

しかし不動産所得には原則として事業付随収入という考え方はないはずで、「不動産の貸付」から生じたものでないエコポイントを不動産所得の収入金額にはめこんでしまうのは、やや違和感があります。この辺は寄稿された税理士の方のお話を伺ってみたいところです。

(因みに、事業者でない個人が取得したエコポイントや、事業者が取得していても事業に関連しない商品券の取得等に充てられていた場合には、勿論一時所得での処理ということになります)


ところでこの住宅版エコポイント。
自己が居住の用に供している既存住宅に対して行った場合には、省エネ減税やバリアフリー改修減税の対象にもなります。

つまり、一定の要件を満たせば、エコポイントと、所得税額控除という『両得』の恩恵が受けられるわけです(新築物件について取得したエコポイントについては「改修」要件は満たしませんので、両得の話とは無関係ですね。ただし、ローンを組んでいる場合には、別途住宅ローン控除が取れる可能性はあります)が、ここまでご覧いただけるとおわかりの通り、意外と取り扱いはぐちゃぐちゃ。

工事のご予定・実績がある方は、申告シーズンに入る前に専門家の方にご相談をされるといいと思います。

]
関連記事;
http://www.tabisland.ne.jp/news/news1.nsf/2a03c8904e6f853f492564990021bb43/ac12564ff013f685492576eb000a1fbc?OpenDocument

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